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統計データサイエンス W
講義時間 10時〜17時

 近年の統計データ分析で重要な位置を占めている「モデル選択法」の基本的な考え方を学びます。AIC基準は1970年代に、赤池弘次氏が統計モデルの良さを評価するための指標、「モデルの複雑さと、データとの適合度とのバランスを取る」指標として提案し、その後非常に有名な統計指標として世界中で活用されるようになりました。赤池氏は1973年のAICに関する論文が評価されて、2006年に京都賞(副賞5,000万円)をいただきました。その論文の謝辞に、この科目を担当する講師「杉山高一」の名前が記載されていることは誰も知りません(どうでも良いことでした).また、モデル選択の基準としてよく用いられるマローズのCp 基準等についても学びます。
 データの確率分布が未知母数に依存する場合は、棄却点あるいはパーセント点を数値的に求めることは、複雑で厄介な問題になります。ほとんどの場合に解けません。1979年にエフロンが提案した
ブートストラップ法は、与えられたデータから繰り返しリサンプリングを行うことに置き換えて対応する考え方で、複雑で厄介な問題を解決する手法として、近年よく使われています。パソコンの性能が良くなり、簡単に結果を出せるようになりました。その基本的な考え方を学び、パソコンで実際に行います。理論的な対応が不可能なときに、パソコンに頼ったこの方法の研究は、千人を超える統計の教授を輩出したのではと思っています。「R」で実際のデータで、その再現性などを確認します。「R」をパソコンに入れている方は、プログラムを差し上げますので、実際に試みていただきます。
 最後にデータ分析で度々遭遇する欠測値への対応「(11) 欠測値の統計的補間について」学びます。補間の仕方によっては、欠測値が20%あっても、30%あっても推測の精度はあまり落ちません。それを計算機シミュレーションの結果をお見せしながら、説明致します。
 出来るだけ具体的なデータ分析例を示しながら、上記の統計データ分析の本質的な考え方を分かりやすく説明したいと思います。
 また、学習支援のため、講義のパワーポイントと関連資料をUSBを通して提供しています。当日パソコンを持参しない方はUSBをご持参下さい。
 今年度の担当は杉山高一先生です。
内容:下記内容に、必要に応じて一部追加等を行いますのでご了承下さい。


(1) 分布型によらない検定
  母集団分布として、正規分布を前提にできない場合、明らかに正規分
  布でない場合における母集団代表値の中央値の差の検定(ウイルコク
  ソン検定)、分布の同等性検定(ラページ検定)等はノンパラメトリ
  ック検定と言いますが、それらの検定法について
  例)経常利益率に関する検定.免疫グロブリンのデータ、GPTのデータ
(2) 多重比較法:3標本以上の平均を纏めて検定したい場合の検定法の構成
  3群の平均の比較をするときに、3群から2群を選び「2標本の平均の
  検定」を3回行い、結論を出すことは正しくありません。その理由は.
  ダネット検定法、テュ―キー検定法、ノンパラメトリック法の場合は.
  例題での説明
(3) 相関係数の統計的意味と仮説検定、相関係数の精密分布
  
Fisherのz変換と仮説検定、
   相関行列とそれに関連したいろいろな分析法について
(4) モデル選択法の基本的考え方 統計講座 統計セミナー 統計
 例) モデル選択基準(AIC基準、Cp 基準)、重回帰分析と変数選択など
(5) ブートストラップ法の基本的な考え方
 例) 正常分娩と早産の出生児の体重増加の違いの検定など
(6) 欠測値の統計的補間について
  幾つかのよく知られている方法について、計算機プログラムソフト等の
  紹介.その精度についての研究結果の紹介.
  外ずれ値の簡単な判定法とその根拠.
(7) 要因分析のある適用例について
  情報の縮約による指標の作り方 と 要因の見つけ方の簡単な分析例
(8) 分析結果の信頼性と現実問題での対応
質疑応答を随時入れながら進めます.
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受講生からの質問の一部 統計講座 統計セミナー 統計講座 統計セミ
1.何故、確率分布は統計データ分析で重要なのですか。
2.多くの統計の本に「身長xは正規分布に従う」と書いてあります。
  正規分布はx軸のマイナスからプラスの全範囲で定義されていて、
  身長xはある幅(区間)でプラスの値だけをとるので、間違いである
  と思いますとの質問があった。
  確かにこの方の言う通りなのですが・・・。
等々の質問から、高度の質問まで、少人数なのでいろいろな疑問
にお答え出来ます。 統計講座 統計セミナー 統計講座 統計セミナー 公開統計講座
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